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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第69章 偽り


4月。

オレ達は、3年生になった。



海常高校バスケットボール専用体育館では、体育館に新入部員と2、3年が向かい合って挨拶を交わし合う。

毎年恒例のこの挨拶。

ゴールデンウィーク前までには大多数が退部してしまうが、この時期は入部希望者が山ほど集まる。

みわをはじめとしたマネージャー達は、説明に誘導にと忙しそうだ。



緊張に顔を歪ませた新入生の前で、オレが先陣切って挨拶をする。

「オレは3年 キャプテンの黄瀬涼太っス。よろしく」

キャプテン。主将。なんだか照れ臭い。

笠松センパイも早川センパイも、こんな気分だったんスかね。




キセキの世代の中で、今年主将になったのは赤司っちとオレだけだ。

誠凛……黒子っちはてっきり主将になるかと思っていたのに、主将は降旗クンらしい。

「ボクは、裏方の方が得意ですから」と電話口では言っていたけれど。


桐皇は桜井クン。

青峰っちは「メンドくせー」の一言で辞退したそうだ。らしいというかなんというか。


秀徳は高尾クン。

緑間っちは「適任がいるのだよ」とかなんとか言っていた。


陽泉は2年生PGが主将になったらしい。

紫原っちから直接話は聞けてないけど、多分青峰っちと大差ない言い分だろう。


それぞれまた、違った1年が始まる。
そしてオレ達にとって、これからの大会は全て高校生活最後の大会になる。

ついこの間入学してきたばかりのような気がしているのに、時の流れは早すぎて。



2年前、この場所に立った時からオレは成長しているのだろうか?



そんな感傷に浸っている間にも、順番に1年生たちの挨拶が進んでいく。


「1年2組、笠松幸弘です!中学時代のポジションはPGです」

……ん?

「1年3組、小堀颯太です!ポジションはCです!」



なんだか聞き覚えのある名字が2人。

春は思いがけない出会いが転がっているものである、ホントに。



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