• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第69章 偽り


「と、とにかくオマエ! 頼むから!
この状況をなんとかしてくれ!」

「天下のPGとは思えないふんわり具合のお願いっスね……」

オレは彼女がいるからって言えばそれこそ一刀両断だろうが、そんな事言った日には、女子が全員帰るなんて事態も有り得る。

……経験がないとも言わない。

そんな事になったら、笠松センパイはセンパイ達からそれこそボッコボコだろう。

という訳で、笠松センパイの色々を守り抜く為には、ガマンして最後までここに居る必要があるわけだ。

深ーいため息1つついて、スマートフォンに目をやると、メッセージを受信していた。

「あ、みわ」

その珍しい受信につい声をあげてしまう。


"先輩は、変わらずお元気でしたか?
 私は合コンってした事がないから
 よく分からないけど、
 楽しんでいますか?

 夕飯を楽しみにしながら
 お留守番しているね(^-^)"


「ああああ、みわ可愛いいいい……」

玄関でちょこんと座って主人の帰りを待つ子犬を想像して、思わず悶えた。

ギラギラした欲望に晒されていたオレに最高の癒し効果だ。

帰りたい。
今すぐ帰りたい。

「神崎か? あいつ、元気してるか?」

「おかげさまで、オレ達皆元気っスよ!
たまには海常に……って、なかなかそうはいかないっスよね」

「また小堀とかと顔出すよ。
マクセさんから時々話だけは聞いたりしてるんだけどな」

なんと、久し振りなその名前。

「え、アイツ……じゃなくてあのヒト、センパイの大学ともなんか関係があるんスか?」

「ウチの大学ってよりも、なんか連盟関係で仕事してるっぽい。頼りになる人だよ、あの人は」

……まあきっと、バスケに関してはそうなんだろう。

でもオレはあの夜の事、許してはいない。

思い出しただけで怒りがふつふつと湧き上がってくる。

まさか、自分が怒りで我を忘れる事になるなんて思ってもみなかった。

二度はない。
次同じ事しやがったら、鼻の骨も歯も全部へし折ってやる。

「オイ黄瀬、頼むからその怖い顔のまま、戻らないでくれよ……」

センパイにそう言われ、慌てて営業スマイルを顔に宿した。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp