第68章 際会
「みわは……ホントに、オレを誘うのが上手いっスね」
大好きな涼太の、声……。
聞いているだけで……胸が、締め付けられるみたいにドキドキ、する……。
「あぁ……りょうた、りょ……たぁ……」
このひとに壊されたい。
全部、不安も、何もかも。
意識が遠くなるような感覚に抗えず、まるで熱に浮かされたようにひたすら涼太の名前を呼んでいたような気がする。
「……ごめんね、みわ。
イジワルして……」
生理的な涙なのか、気持ちが安定せず流れた涙なのかは分からないけれど、顔はボロボロだと思う。
おまけに、口元は締まりがなくなって唾液が垂れ流しになっているだろう。
下半身だって、最早感覚がなくてどうなっているかも想像がつかない。
なんて醜い、快楽だけに溺れた身体……。
こんな姿を愛しい人に晒すなんて……。
「りょう、りょうた」
「みわ……?」
「きらいに、きらいにならないで……っ」
「……みわ、大好きだよ」
泣いてる子を宥めるような、優しい声。
それなのに、機械を止めてはくれない。
「ひっ、あ、あぁ…………ッ」
また、いった。
もう、ツライ。苦しい。
すると、耳にこびりつきそうなほどずっと聞こえていたモーター音が止まった。
ホッとしたのも束の間、涼太が私の腰を掴む。
これ以上にないくらい私の両足を拡げ、灼熱が私の中心に進入してきた。
「あッ! ぁああぁ!」
いきなり最奥まで突かれ、絶頂まで引きずられる。
「みわ……とろっとろで……ヤバ……
マジで、壊しちゃいそうっスわ……」
ズプリと奥まで貫いた屹立が入り口ギリギリまで引き戻され、再び最奥まで貫かれる。
「ひあ! は、ぁっ!」
奥を突いて揺らされるごとに淫らに流れ出る声を制御できない。
「みわっ、みわっ、みわ……」
「んひゃ、あぅ、やぁ、あぁ……」
機械で散々いかされて感覚がなかった筈の私の中心は、涼太の熱で簡単に感覚を取り戻していた。
味わった事のない絶望的なまでの快楽。
頭の中が目の覚めるような極彩色に染まっていく。
このままじゃ、涼太が果てるまで保たない。
でも、抗えない。
腕を動かしてもカシャンカシャンと無情に金属音が響くだけ……。
もう、このまま……。