• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第68章 際会


暫くの間、言葉もなく抱き合っていた。

2人の熱で温度の上がった部屋は蒸し暑く、触れ合っている部分が汗で湿っていく。

触れ合った胸から、トクントクンとみわの鼓動が伝わってくる。

彼女の全てが愛おしくて、どうにかなりそうだ。

みわの過去は……オレは気にしないと言ったけど、正直……怖い。

みわが、それを思い出す事でまた傷つくのではないかと思うと、ゾッとする。

誰よりも幸せになって欲しいのに。
幸せにしてあげたいのに。

いつも思う。
自分はなんて非力なのかと。

地位や名誉があるわけではない。
財力があるわけでもない。
精神的にも未熟だし、何よりまだコドモだ。

それなのに身体は一丁前に仕上がっていて、
セックスだけはしっかりヤってる。

こんな男でガッカリしないだろうか?
いつも思っている事だ。

本当の意味で彼女を支えられる男になりたい。

……何度も思う。早く、オトナになりたい。


「けほ、げほッ」

みわが突然むせて、肩を激しく揺らした。

「みわ、水」

口移しで飲ませてあげたいけれど、絶えずコンコンと咳をしているのが可哀想で、すぐに枕元のペットボトルを渡した。

「ごめんね、いきなりむせちゃった」

「大丈夫? それだけ? 風邪引いちゃったっスかね……」

「ううん、ホントに一時的なものだから……って、え……もう、朝!?」

時計を見ると、時刻は午前4時になっていた。

「昼前まで少し眠る?」

珍しく、今日は終わった後眠くなさそうだ。
……オレがあんなに早く果てたからか……。

「えっ、今日も練習……あ」

「今日は午後からっスよ」

「そっか……」

みわがむくりと起き上がった。
張りのある上向きの乳房が眩しい。

「あっ……み、見た!?」

慌てて隠すその姿が余計にエロくて。
誘ってんスか、マジで。

「うん。見た。ガン見した」

「やだ、もう! えっち!」

……だからね。

ここはラブホテルで……数十分前まではオレたち繋がってて……って言っても無駄か。

「もっかい汗流そ、みわ」

「えっ、ちょっ」

若干抵抗する声を後頭部に浴びながら、バスルームへ連行した。



/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp