第68章 際会
「りょう……たぁ……」
「ぅ……あッ」
絶頂を迎えてキュウキュウと締め付けてくる内襞が絶えず刺激を送ってくる。
「ぁ……」
ぱくぱくと酸素を求めるように動く口が可愛くて、柔らかく唇を重ねた。
快楽を味わい、しなる細い身体……。
折れそうな腰を抱き寄せる。
「みわ……動いて、いい?」
「う……ん……っア」
再び抽迭を始めると、潤った泉から愛液が溢れるのが分かる。
「あ、あッ……あッ!」
繋いだ細い手に力が入り、華奢な腰がオレの律動に合わせて揺れる。
「…………みわッ、ごめ、出る……」
動きに合わせて上がる嬌声が聞けるだけで、その淫らな姿を見ているだけで射精感が押し寄せてきて、すぐに達してしまった。
久々とはいえ……あまりに早くて、苦笑。
精を吐出した途端、ずしりと身体を倦怠感が包んだ。
みわも、荒い息を整えながら視線は宙を浮き、恍惚の表情を浮かべている。
「みわ……」
覆い被さるようにして口付けると、繋いだ指がピクリと動いた。
「ン……」
誰にだって、過去はある。
褒められたもんばかりじゃない。
今まで、何も失敗せず生きてきた人間なんているんだろうか。
失敗して、後悔して、傷ついて、傷つけて。
そうやって今の自分を作っているんだ。
オレだって、いっぱい間違えた。
過去に戻れたらって思うことも……ある。
どうしたら分かって貰えるんスか?
「みわ……ね、みわ」
「ん……」
「みわにどんな過去があったって関係ない。
元より、それを理解した上で一緒にいるんス。
だから……これからは一緒に、先を見て行こう」
「さき……?」
「そう、未来を」
みわの大きな瞳が見開かれ、涙腺が壊れたかのように涙が溢れ出した。
ずっと抱き締めていた。
自分の胸の中に閉じ込めてしまいたくて、その透明な涙が止まるまで、ずっと。