• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第68章 際会


さつきちゃんとは、途中の乗り換え駅までは一緒だ。

「みわちゃんは卒業後、進学するの?」

卒業後、かあ……

「ん、まだそれも未定……」

「そっかあ」

これ以上おばあちゃんに迷惑は掛けられない。

もし進学するとしても、奨学金制度があるところを調べて……。

勉強が出来ることだけが私の取り柄なんだ。
こういう時に活かさなくてどうするの。

それに……今日見てきたような事も、学んでみたい。
家に帰ったら少し調べてみよう……。

でも今日は早く寝ないといけないな。
乗り換えがうまくいけば日が変わる前に帰り着けるはずだけど……。
また明日から練習だし。

乗り換え駅を再度確認する為にスマートフォンを開くと、涼太からのメッセージが1件受信されていた。

「きーちゃん?」

さつきちゃんが突然そう言うものだから、焦ってスマートフォンを取り落としそうになった。

「え、ど、どうして?」

「いや、口もとがにやけてたからそうかなって……」

「え、私にやけてた!?」

全く無意識でのその反応が恥ずかしすぎる。

口が緩まないように片手を添えながら、画面を開いた。

"みわ、おつかれ(*^^*)
もう帰って来た?"

……うっ。

ここは嘘ついても仕方ない。
素直に答えよう。

"練習お疲れ様!
まだ電車乗ったばかりなんだ(>_<)"

頑張って顔文字をつけてみてるんだけど、こんなんでいいのかなあ……。

涼太は既読になってから返信がとにかく早い。
操作スピードが違い過ぎる……。

"じゃあ途中まで迎えに行くね"

あっ、やばい。

涼太のメッセージから顔文字とか句読点が消えるのは大体移動中だ。

これ、急いで家を出たんじゃないの。

"大丈夫だよ! 心配いりません!
電車に乗ってるだけだから!!"

夜道を歩くわけでもないし、座ってれば着くんだから、大丈夫なのに……!

わざわざ時間かけてお金を使って、涼太になんにもメリットないんだから……。

過保護すぎるよー!

「みわちゃん、百面相」

「えっ」

「なんか表情豊かになったね、みわちゃん。
きーちゃんってスゴイなぁ」

しみじみとそう言われ、顔が熱くなるのを感じた。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp