• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第68章 際会


笠松先輩の大学にお邪魔して、それから親善試合があって、リベンジマッチがあって……

気が付いたら、今週で夏休みは終わる。

なんだか、IHが始まったばかりと思ったのに、もう9月の扉がそこに待っていると思うと不思議な気分だった。

歳を取るごとにもっともっと1年が早く感じるようになっていくっていうけど、本当かなあ。



「みわちゃん!」

今日は、さつきちゃんと一緒に木吉さんが通っているというリハビリセンターに見学に行かせて貰う事になっていた。

今年春の実業団チームとの合宿といい、本当に私は恵まれていると思う。

「木吉さんって、なんでアメリカで手術受けられたり、最先端のリハビリセンターに通えるんだろう。
お金持ちなのかな?」

さつきちゃんの素朴な疑問、私も思っていた。

確か彼は祖父母と暮らしている筈だけど……。

いやいや、人のプライベートに軽々しく首を突っ込むもんじゃない。

現に、こうやっておこぼれを頂戴しているのは自分なんだから、そんな失礼な事はやめないと。





「う……っわぁ」

門から見える並木道は森と言ってもいいほどの木に覆われ、目の前に見える丘の上には近代的で大きな建物がそびえている。

「想像以上に敷地は広いし、建物は大きそうだね……みわちゃん、クチ開いてるよ」

くすくすと笑うさつきちゃんの声ですら頭の後ろの方から聞こえてきそうな放心状態。

おぼつかない足取りで門を抜けると、施設内を送り迎えしてくれるマイクロバスが停まっていた。

きっと、徒歩だととてつもない時間がかかるのかもしれない。

まるでテーマパークのような広さだ。



バスに乗って木吉さんから指定された建物まで辿り着くまでに、パソコンで調べて印刷してきた資料に目を通していた。

このリハビリセンターは相談から診療・療育・社会参加・地域サービス・研究・スポーツや分化の支援など、幅広く行っている。

そして年齢や障害の種別を問わず、関係諸機関・施設とも連携しながら、1人1人のニーズに応じて最適なリハビリ計画を作成・実施していると紹介されていた。

果たしてそれがどういうものなのかは、私には全く想像がつかない。

少しでもプラスにして、帰ろう。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp