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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第14章 花火


「みわっち、自分がして欲しいことを言わなきゃ意味ないんスよ、こーゆーのは」

「あ、そっか、そういうものなんだね。う〜ん……じゃあ手を、握って貰えます……か」

「……コレでいいんスか?」

黄瀬くんの大きい手に包まれる。
骨ばっていて、でも指が長くてキレイで。

「この手、好きなんだ……」

「みわっちはすべすべもちもちっスね。握ってるオレの方が気持ちいい」

「そうかなあ。……ありがとう、もう大丈夫」

「ねえ、この後もひたすら線香花火なんスけど……いいんスか?」

「いいじゃない。花火見ながらゆっくりお喋り、楽しいよ」

「じゃあ、最後の一本でまた競争っスね」

「いいよ、ふふ、私また勝っちゃうかも」

「次は負けねっスよ!」


二人で談笑しながら花火をしていると、私のスマートフォンがポケットの中で震えた。

「みわっち、電話じゃない?」

「ううん、多分メールだと思うから」

「……前にも聞いたっスけど、黒子っちとまだメールのやり取り、してるんスか?」

意外な質問だった。

確かに、4月の終わりか5月の頭だったか、黄瀬くんが風邪で寝込んだ時にその話になった事があった。

いまだに黒子くんとは、ちょくちょくメールしたりしてるんだけど……隠す方が、なんかやましい事がある気がするよね?

「うん、時々だけど、メールするよ」

「……そうなんスか……前に、オレに言えない事聞いたりするって言ってたっスよね」

「あ、……うん……」

黄瀬くん、自分で頭悪いとか勉強嫌いとか暗記無理とか言うけど、全然違うよね。
確かにお勉強は苦手なのかもしれないけれど。

「何聞くんスか?」

「え……えーっと……」

黄瀬くんだよ。黄瀬くんの事、直接本人には聞けないから相談してるの!

なんて言えないんだけど……

「……勉強のこととか?黒子くんて、ほら、物知りだし!」

ちょっと予想が入ってる。

「確かに黒子っちは読書が好きだし……俺より色んな事知ってるし、話してて楽しいかもしんないスね……」

黄瀬くんの声のトーンが……。
あれ、なんだかおかしな方向に向かってる?

「オレ……みわっちと同じレベルで話できないっスもんね……」

「お、同じレベルって何?」

「……なんでもないっスわ」

いつもの笑顔で隠されてしまった。


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