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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第68章 際会


静かな和室。
自分の部屋の筈なのに、もう全くの別空間に迷い込んでしまったような錯覚に陥っていた。

「ね、みわ……」

「……ん」

涼太の心臓部分に手を当てると、鼓動が速くなっているのが分かる。

とく、とく、とく、とく、とく

ああ、生きてるんだ……
そんな当たり前の事で安心しているなんて知られたら、笑われてしまうだろうか。

どんどん、好きになっていく。

あなたに恋をしてから今日まで、どれだけのあなたを好きになっただろう。

これからもこうやって、ひとつひとつ好きになっていくんだろうな。


その鍛えられた首に手を回して、強く引き寄せた。

「りょうた……すき……だいすき……すきすぎて、どうしたらいいかもう、わかんないよ……」

コート上で誰よりも輝く涼太が。

コート上で涙する涼太が。

私の隣で笑う、照れる、泣く、怒る、拗ねる……
すべてのあなたが。

すき……。

行き場の無い想いが、涙になって溢れてくる。

「すき、涼太」

「……も、オレのぺらっぺらの理性が……」

熱い唇が、重なった。
涼太の気持ちが流れ込んでくるようで、こころが満たされていく。

「ガッツくばかりじゃなくて、ちゃんとみわの事考えられる紳士的な一面を……って思ったのに、台無しじゃないスか……」

真顔でそう言う涼太が可笑しくて。

「いっつも私の事ばかり考えてて、我慢してる癖に……」

涼太が熱く、硬くなっているのが分かる。
私に、興奮してくれてる。

それが嬉しくて嬉しくて、仕方ない。

「みわ……このままずっと、抱き締めさせて……」

「涼太、このままじゃ……辛くない?」

涼太の息も上がってる。
男の人の方が、女よりもずっと辛いはず。

「ん……いい。みわと、くっついてたい」

小刻みに上下する涼太の胸。
私も極度の興奮状態。

求め合う気持ちが、力強い抱擁に変わっていく。

背骨が折れてもいい。
ずっと、この腕の中にいたい。




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