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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第68章 際会


くしゃりと頭を支えられて、がっしりとその腕に抱え込まれていると安心する……。

視界が真っ青に染め上げられて。
少しだけ目を閉じると、敏感になった嗅覚が彼の香りだけを吸い込んでくれた。

悔しさを受け止めてくれる大きな胸……。

この悔しさは消えないけれど、1人でただただ泣いているよりもずっとずっと気持ちが楽になる。

止めようとしても止まらずに、ぽろぽろと流れ落ちる涙が、涼太のジャージにシミを作ってしまっていた。

「っ、りょ、っく、ごめ、っ」

涙を止めようとしてもどうしてもしゃくりあげてしまい、上手く言葉を紡ぐ事も出来ない。

彼の背中に回した腕に力を込めた。


「泣いていいよ……泣いて、泣いて、これでもかってくらい泣いて……最後に笑えばいいんスよ……」

涼太の言葉は、いつもこころに真っ直ぐ届く。

涼太自身が、真っ直ぐなひとだから。


「みわ……今夜は一緒に居たいんスけど……いい?」

それは、つまり……
夜のお誘い、って事……だろうか……。

で、でも……。

「ごめんなさい、今日は……あの、出来ない、日なの……」

今朝から私の子宮は月のモノでフル活動。

不要な痛みまで届けてくれるお陰で、何時間かおきに鎮痛剤のお世話になっている。


「ん? あ、そーなんスね。いいよ別に……エッチしたくて誘ってるわけじゃないっスから」

「えっ」

「あ、その"えっ"、心外。
ただ一緒に居たいってだけっスよ」

そんな風に突然言われて、今度は心臓がドクドクと脈打ち始めた。

私だって……ずっと一緒に居たい……。

「ありがと……変な事言って、ごめんなさい。
泊まっていって、涼太」

まだ涙は止まらずに流れ続けていたけれど、涼太がずっと頭を撫でていてくれた。


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