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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第67章 想い


「黄瀬、何か食べたい物はあるか?」

「んや、特にこだわりないっスよ。
赤司っちのオススメがあるならそこで」

「肉でも食べようか」

夕方は道路も混むというので、先に和歌山を離れ、京都に戻る事にした。

店は結局、赤司っちがたまに部の皆と行くというステーキハウスに連れて行って貰った。





熱々の鉄板の上で切り分けたステーキを一口頬張ると、肉汁が溢れ出て口の中を満たしていく。

……ちょっとアツいかな……

「ん、熱いけど、ウマイっスね」

「……随分と奥ゆかしいひとなんだな」

「ん?」

「黄瀬の彼女だよ。アプローチは向こうから?」

「んー、いや、オレからっスね」

「へえ、意外だな」

赤司っちが珍しく少し驚いた顔をした。
そのカオのが意外っスわ。

「オレがあーゆー子を選ぶのがそんなに意外っスか?」

「いや、あの子を自分で見つけて手に入れたというところが意外だった」

「どういう事スか?」

赤司っちも、時々みわみたいに難しい事を言うから掴みきれない。

アタマのいい人って皆こうなんスかね?

「いや、黄瀬は女性と付き合ったりする事自体には興味がなさそうだったからね」

うっ、図星。

さすが帝光中時代のキャプテン。
当時のオレをよく分かっている。

あの時はまあ、遊びたきゃテキトーに女のコと遊ぶしっていう事を繰り返してた。

一時期からは、求めるものがハッキリしてたな。

退屈をしのげる相手がいればいいや。
でも、愛のあるセックスがしたい。

付き合って、すぐに別れて。
その瞬間から新しい彼女が出来て。
そんなことの繰り返しをしてた時期もある。

でも、女性とのセックスに幻滅した後のオレは、それはもうドライな遊び方をしてたなって自覚はある。

今思えば、自分の求めているものと全く逆の事をしていたんスね。

それすらも、当時のオレには見えてなかった。

……こんな汚ねえオレの事は、とてもみわには言えねーっスわ……。



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