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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第67章 想い


京都に着く頃には、もう夕陽が沈みかけていた。

旅館は、格式高い……とはお世辞にも言えないが、京都らしい和風の造りで小さいながらも温泉があるし、上等だと思う。


ただ、歓迎看板には
「海常高校男子バスケットボール部御一行様」
「陽泉高校男子バスケットボール部御一行様」
と書かれていた。


まさかの、陽泉高校と同じ宿。
……まあ、どの学校も、金額的にも選択肢は狭まってしまうので、仕方ないか。


今日は長時間座って固まった身体を十分にほぐし、軽くランニングとトレーニングのみ。

明日は朝から和歌山に移動し総合開会式を行い、京都に戻って少し練習。

試合自体は明後日から始まる。
IHは競技ごとに開催地が異なるため、移動が多くなってしまうのが難点だ。

山場は、準々決勝で恐らく当たるであろう陽泉戦と、準決勝の対戦相手と予想される洛山戦。

決勝は……誠凛・桐皇・秀徳……正直、どこが上がってきてもおかしくない。

3年生が抜けた穴を、各校上手く埋めている。
どのチームが優勝してもおかしくないくらい、実力は拮抗しているように思われた。



食事は、大広間へ通されてのものとなった。

【竹の間】。

もしかしてこれ、松竹梅になってる?
陽泉さんは松だったりする?

こういうのにこだわる習慣はなかったけれど、なんとなくそんな事が気になってしまった。

大丈夫。
そんなのにこだわらなくたって、海常は強い。

私はそんな彼等を、精一杯フォローするんだ。

「神崎先輩、食後はストレッチですよね?」

マネージャーは端のテーブルに集まって食事をしている。

私が左手を十分に使えないので、スズさんのサポートだ。

「うん、お風呂上がった人からストレッチして就寝。私たちは全部終わってからお風呂になるけど、いいかな?」

「モチロンですよ!」

すっかり頼もしい後輩になってくれて、なんだか嬉しい。

骨折り損にならなくて良かった。

……今日はなんだろ、伊月さんでも乗り移ってしまっているのかな。

ダジャレというよりは、オヤジギャグな気もするけど。

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