第67章 想い
「きーちゃん、みわちゃんの事、大事にしてあげてね」
桃っちがベッドの上の薄い布団を畳みながらオレに話しかけた。
今日も雨。部屋の中は心なしかジメジメしている気がする。
……4人で寝ていたから熱気が籠っているだけかもしれない。
桃っちがそんな事をわざわざ言うなんて、珍しいな。
みわから何か相談でもされたんだろうか。
「……みわちゃん、胸にコンプレックス、あるのかな……」
「あー……それはあるっスね……」
去年もオレが巨乳のお姉さんに告白された時に、拗ねていた。
オレはみわの胸が貧相なんて一度も思った事ないんスけどね……。
「なんて言ってあげたらいいんスかね、オレ本当にみわの胸好きなのに」
オレの手にピッタリ収まるサイズ。
柔らかくて、でも弾力がちゃんとあって。
触れると、もう離せなくなる程キモチイイ。
ずっと揉んでいられるし、あの膨らみに顔をうずめて眠っていたい。
……セックスの最中も胸を揉まれるのはあまり好まないし、胸を枕にすると今朝みたいに怒られるから気にはなってたんスけど……。
「ん~……正直、コンプレックスだったら何言っても逆効果な気はするんだよね……
言葉じゃなく、態度で表してあげるしかないんじゃない?」
「態度、っスか……」
道端で超巨乳のお姉さんが居たら、正直に言って、目は行ってしまう。
それは巨乳が好きとかそういうんじゃなくて、オトコの本能っつーか……
本当に、なんの理由もなく目を奪われてしまうんだけど。
AVだって、別に胸で選んだ事もない。青峰っちじゃあるまいし。
基本的にはみわのコト妄想するだけでデキちゃうし、そうじゃない時には極力みわに似た子を探してる。
……ショック受けるかもしんないから、AV観てるなんて事バレたくはねぇっスけどね……。
どうしたらいいんスかねえ。
「ひたすら揉み続けたら逆効果っスよね」
「……トラウマになるんじゃない?
どうしてそんな発想になるのか、時々きーちゃんのダメさ加減に驚くよ……」
「いや、半分冗談っスよ……」
「半分は本気なのが問題なんだって」
心底呆れているという声で返されてしまった。
だって、ずっと触ってたいんスもん。みわに。