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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第67章 想い


恋って、不思議。
恋ってなんなんだろう。

いつの間にか惹かれていて……。
私のこれは、恋なのかな。

気が付いたら、彼がいないことなんて考えられなくなっていた。

涼太の……顔が見たいな。
2階に行けば、すぐに会えるんだけど。



「みわちゃん、手がそれじゃ不便でしょ、何か手伝うよ」

「あ、ううん大丈夫!
右手が使えるから、結構なんでも出来ちゃうんだ」

意外にも、左手が使えないというのにも慣れるもので。

今日みたいに雨が降っていたりすると、訳もなく少し痛むのが嫌だけど。

「髪乾かしてあげるね」

さつきちゃんは優しい手つきで、ドライヤーをかけてくれた。

「ありがとう」

ドライヤーの温風が、疲れた心まで癒してくれるかのようで。


さつきちゃんの柔らかい手の感触が、もう記憶にないお母さんの手みたいで、気持ち良くて、ゆっくり目を閉じていた。



皆が幸せになれればいいのにな。



そんな事をふと、考えた。





さつきちゃんの部屋に行くと、ベッドの上で大の字になって寝ている青峰さんと、テレビの前で考え込むように手を顎に当て、画面に集中している涼太。

「もー、大ちゃんまた私のベッドで寝て!」

そう言いながらも、彼を起こすことはせずに布団を掛けてあげる姿が、恋する乙女のものに見えてしまった。

「きーちゃん」

涼太は画面に集中したまま、反応しない。
凄い集中力。

画面に再生されているのは、NBAの試合だ。

「きーちゃんってば!」

「……ん? あ、オカエリ」

「もー、ずっと呼んでるのに!
大ちゃん寝ちゃったし、きーちゃんお風呂に入って来ちゃったら?」

「……思ったんスけど桃っち、オレ達泊まってく事になってないスか?」

……そういえば、録画を観に来たのにお風呂に入るっておかしいよね?

なんで今まで気付かなかったんだろう。
さつきちゃんの胸に圧倒されてそれどころではなくなっていた。流石、兵器並みのおっぱい。

「学校は明日、早起きして行けばいいじゃない!」

やっぱり全て予定通りという感じの微笑みだった。



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