第67章 想い
「みわ、お待たせ」
「……オツカレサマ」
?
シャワーを浴びて出てきたら、なんだかみわの様子が少しおかしい。
顔を少し赤くして。
「どしたんスか、みわ」
「……ナンデモナイ」
「……?」
桃っちと待っている間に何か話したんだろうか。
女子トークは良く分からないっス……。
「きーちゃん、ホントダメ」
「えっ? 何がっスか?」
女子ふたりは、それきり話をしてくれなくなった。
桃っちに連れて行かれたのは電車で少し移動し、あまり利用した事のない駅前のファミレスだった。
なんでわざわざこんな所に……と思っていると、店内奥の一角に、おかしな空間がある。
通常なら4人席がいくつか並び、端には2人席が作られている空間だろう。
しかし今そのテーブルはくっつけられて、ひとつの大きなテーブルになっている。
そして、そこに座るのは学ラン姿の男子高校生たち。
更に、その体躯は普通の学生よりも一回り以上大きなもので。
「……桃っち」
「ん?」
「アレ、どしたんスか」
「ああ、来れる人がいたら来てって声かけたんだ♪」
「"かけたんだ♪"じゃねえっスよ……アレ、カオスじゃないスか」
明らかにモデルの仕事の打ち上げで行く居酒屋よりうるさ……盛り上がっている。
遠目で見るだけでも……誰がいるんだ、アレ。
水色と緑の頭が確認できるという事は、少なくとも誠凛と秀徳の人間がいると言う事か。
……今日、無事に帰りつけるのだろうか?
横ではみわが固まっている。
「テツくーん! お待たせ!」
「桃井さん、お久しぶりです」
黒子っちのテンションは相変わらずだ。
桃っちが黒子っちの隣に座って、少し安心する。
「みわちゃん、こっちこっち!」
桃っちの隣にみわが座り、更にその隣にオレが座る事にした。
……正直に言うと、顔は分かるけど名前まで認識してないヒトもいる。
みわに教えて貰うっきゃないっスかね……。