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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第66章 和


涼太が妖しい微笑みで言った言葉の意味が分からない。

「何を……言ってるの?」

それって……自慰行為を見せろっていう事?

「大丈夫、写真撮ったりしないから」

「そ、そんなの当たり前ですっ!」

「じゃー……見せて」

そう言って涼太は肘をつけて横になり、手の甲で頭を支えて完全に傍観体勢。

「ま、待ってよ、そんなのムリ」

かつて、彼が寝てる間に隣でしようとしたのに気付かれたというだけで、死にそうな程恥ずかしかったのに。

「お祝い、してくんないんスか……?」

そう言って上目遣いをしてくるその姿は、いつも私を求めてくるオスの表情とは全く異なる。

ほ、本当に…………いつも思ってるけど、涼太はズルいのだ。

どう言えば私が断れないかを、知っている。

今年はロクに誕生日プレゼントも用意出来なかった。
だから、彼が望む事くらいしてあげたい。

で、でも、でも!

……涼太はいつも、私が驚くような事を平気で言う。

ずっと悩んでいたお母さんの言葉、オレが直接言うから忘れろって、何その無理矢理なの。

でも、こころがすっとラクになった気がする。
ずっと自分の中だけで消化出来ずに苦しんでいたものが、流れていったような。

このひとだけは、もしかしたら違うのかもしれない、なんて少しの希望を抱きたくなるような。

……そんな彼が望む事、私が出来る事なら……




「……ど、どうしたら、いいの?」

琥珀色の瞳が更に妖しく光ったような気がした。




「足、広げて座って」

早速泣きそうになるような事を言われ、逃げたくなるけれど、自分でやると決めたからには、やるんだ。

心臓が飛び出しそうになりながら、体育座りをして足を左右に広げた。

彼の視線が、ソコに集まっている。

「や、や、お願い、そんなに見ないで」

「ダイジョーブ、いつも見てるから」

「よ、余計に悪いよっ!!」

ああ、もう既に心臓は飛び出してどこかに行ってしまったかもしれない。

涼太に見られていると思うと、熱くなってくる。

ジワジワと、焼かれているように熱くなる。

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