第66章 和
あったかくて、柔らかい。
みわの唇の感触を思う存分に味わいたくて、呑み込んでしまうかのようなキスをしてしまう。
まだ、目が開かないんだけど。
「んっ……」
微かに聞こえる、漏れ出た甘い声。
この声、もっともっと聞きたくなってしまうんスよね……
でも今日はダメだって。
抱きしめている身体が温かい。
重ねた唇の合間から漏れる吐息が熱くなっているのを感じる。
「ぁ、りょうた……」
「……誘わないで、みわ」
布団の中の熱がどんどん上昇していくのが分かる。
ようやく目を開けると、目の前には蕩け切った顔でオレのキスに応じるみわの姿。
ああ……ずっと寝たフリをしておくべきだった。
「可愛い……何その顔……」
「涼太、寝てたんじゃ……」
「あんな可愛い事されたんじゃ、起きるって」
背中から部屋着の中に手を忍ばせると、柔らかい背中を背骨に沿ってなぞる。
「あッ……」
みわ、背中弱いんスよね。
弱い耳も責めたくて、かぷりと耳朶に噛みついた。
「んんぁ……!」
びくんと大きく反る身体。
逃がさないっスよ……。
もう自分の手が覚えているかのように、次から次へと彼女のイイトコロを勝手に刺激していく。
「あっ、ああ」
頭のてっぺんからつま先まで、余すところなく愛したい。
みわは、母親からは愛情を貰えなかった。
オレがその分まで、何倍も愛すから。
「みわ、愛してるよ……」
「涼太……!」
みわははぁはぁと息が荒い。
このままオアズケというのはあまりに可哀想だ。
挿入はできないけど、みわだけでもイカせてやりたい。
力の抜けた身体に協力をして貰いながら、みわだけを脱がせた。
「……は、恥ずかしい」
ひとりだけ一糸纏わぬ姿になったのが耐えられないのか、みわはオレにしがみついてきた。
ああ、本当に可愛いっスね。
こんなにも加虐心を煽られる。
いつも、思ってもない事を言って思ってもいない方向へいってしまうんだ。
「ね、みわ。オレにもうひとつ、誕生日プレゼント頂戴」
「……うん。何が欲しい……?」
「みわが、自分でシてんのを見たい」
「……へ……」
ほらまた、思ってもない方向へと暴走を始める。