第14章 花火
「みわっち、身体洗ってあげるっスよ!」
「え、自分で出来るから!」
「そ〜じゃないでしょ、一緒に入ってる意味ないじゃないスか!」
「聞いてない! そういうの聞いてない!」
「今言ったっスわ」
言いながらもオレは、ボディソープをもっこもこに泡立てる。
みわっちの肩から背中に泡を乗せ、自分の胸元にも泡を乗せて……後ろからぎゅっと抱きしめた。
「えっ、ちょっと……!」
泡が滑って、いつもと違う感覚。
たっぷりの泡を、みわっちの胸を揉みながら、伸ばしていく。
「き、黄瀬くん、あっ、え、なにちょ……っ」
一緒に風呂に入るということに、どんだけ健全な想像してたんスかみわっち。
こんなの序の口なんスけど……
でも、動揺する彼女が好きすぎる。
オレの事でいっぱいになってるみわっち。
可愛すぎ。抗議に混じって聞こえる甘い声がたまんない。
オレが、ぜーんぶ教えてあげるからね。
細い腕。手首から指先。
腰から太もも、ひざ、ふくらはぎ。
足首、足の先まで、泡を伸ばしていく。
泡とオレの指が触れるたび、反応を示すカラダ。息が荒い。
「やあっ……はぁっ……はぁっ……」
「みわっち、ほっそいなー……折れちゃいそうっスね」
みわっちに触れているのは勿論好きだ。気持ちいいし。
でもそれよりも、みわっちがオレを求めてる、っていう所に満たされる。
ゾクゾクする。
もっと、もっと。もっとオレを求めて。
全部欲しがって。
もっと……って、オレやっぱり、ちょっと歪んでるっスかね……
下半身にも触れたいけど、さすがにちょっとまだオレもどうしたらいいか分からない。
内腿を刺激するだけでも、みわっちは気持ち良さそうにしてくれてるから、今のところはこれでよしとしておこうと思う。
「も……っ黄瀬くん……」
みわっちが振り返る。
彼女の身体は泡だらけで、ボディラインが隠れるほどになっている。
まるでわたあめみたいっスね。
みわっちの指が、オレの身体に触れた。
「みわっち、オレを洗ってくれるんスか?」
「だって……こういうものなんでしょう……?」
もっと、オレを求めて。