• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第66章 和


「あの後すぐ生理も来たの……ごめんなさい。みわちゃんも、黄瀬君も、ごめんなさい。
部屋に行ったり、今はわたしだけを見てくれてるんだって勘違いして、調子に乗ってた」

「……ウソ、だったんスか……」

「ごめんなさい……」

「いや、オレはいいんスけど……」

ちらりとみわの様子を伺う。
特に動揺している様子はないけど……。

「わたし、黄瀬君の部屋になんて泊まってないから。相談しにお邪魔した事はあるけど、すぐに帰ったし……」

「うん。キオちゃんが困っているような状態じゃないなら、良かった」

みわはそうとだけ言って、それ以上は追及しなかった。

「……」

オレも、誰になんて言ったらいいのかを迷ってしまう。

「あの、それだけ言いたくて。本当に、ごめんなさい」

「うん、話してくれてありがとう、キオちゃん」

「……ふたりで話す事もあるだろうから、わたし先に帰るね」

「駅まで送るよ」

「大丈夫、一本道だったから覚えてる! みわちゃんは、黄瀬君とお話して!」

キオサンもみわのその落ち着きようを不気味に感じたのか、早々に去って行ってしまった。



「……みわ、なかなか話せなくてごめん」

「ううん、事情があったんだもん、仕方ないよ」

「それで、スズサンと休養日に過ごしたのは……キオサンの事の、口止めって言うか」

「そうだったんだね」

みわは、さっきから全く感情が乱れない。
以前、あきサンとの事で誤解された時は、あれだけ嫉妬して泣いていたのに。

なんで?
この違和感はなんスか?

「みわ、怒ってる?」

「怒ってないよ」

怒ってよ、なんで私以外の女とって、怒ってよ、みわ。

「嫉妬した?」

「してないよ」

そんなワケ、ないっスよね?
なんでそんな事言うんスか?

「ねえ」

「もうやめよう」

「……え?」

「もう、私は大丈夫だから。この話は終わりにしよう」

そう言ってみわは既に冷めているであろうお茶を口にした。
もうこの話はしたくないと言うように。

「涼太も、もう帰らないと遅く」
「みわ」

無理矢理みわとの距離を詰めて、唇を重ねる。
あのデート以来、久々の感触にクラリと脳が痺れる感覚がした。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp