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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第65章 星空


プールサイドへ上がったオレは、黒子っちに駆け寄った。

「黒子っち、な、なんで……こんなトコで何してんスか」

「カントクの……リコさんのお父さんがここの経営者と仲が良くて、たまにこうして優待券を貰えたりするんですよ」

「へ、へえ」

「黄瀬君こそ、こんな所で……その人と、何してるんですか」

「あ、これはウチの今年入ったマネージャーで」

「りょーた君の新しい彼女です! よろしくお願いします!」

誠凛のメンバーだと気づいているのかいないのか、スズサンはオレの腕に絡みつき、自慢の胸を押し付けてきた。

黒子っちや火神っち以外の誠凛メンバーの視線が谷間に集まっているのが分かる。

「ちょっとマジ、いい加減にしてスズサン」

「もー、そんなに照れなくてもいいのにぃ」

「……楽しそうですね」

黒子っちは、相変わらず感情の読めない瞳でオレを真っ直ぐに見つめている。

「黒子っち、違うんだって!」

「……まあ、キミが誰と付き合おうが、ボクには関係ありません。火神君、行きましょう」

「おっおい黒子、いいのかよ!?」

黒子っちはそうとだけ言うと、火神っちをはじめとした皆を引き連れて去って行ってしまった。





「……先輩、誰ですか?」

「東京の誠凛のメンバーっスよ、去年ウィンターカップ優勝したの、知ってるっしょ」

「ええッ! 先輩、こんな風にお喋りしたりするほど仲がいいんですか!? 凄いですね!」

もう全く見当違いの部分で驚いている。

あれだけ普段からみわの近くで仕事をしているのに、他校の事についてはてんでダメらしい。

「サイアクっスわ……絶対勘違いされた……」

「わたしは勘違いされても構いませんよ? むしろ大歓迎です!」

後でちゃんと弁解しないとな……。
なんでこんな、悪い事ばっかり重なるんだろ。

オレは何か大きな間違いを犯しているのだろうか?

「ね、先輩。折角上がったんだし、お昼にしませんか?」

スズサンに手を引かれ、プールサイドのレストランへ向かう。

もうオレは、ガッカリした表情も大きなため息もガマンせずに出す事にした。



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