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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第14章 花火


オレは軽く変装をして(といっても帽子とメガネくらいだけど)、みわっちとラーメン屋に向かう。

「みわっち、ごめんね。今日……」

「もう謝るの禁止!」

ニッコリ笑ってそういうみわっちが眩しくて。
照れ隠しのように、手を繋いで歩いた。

「黄瀬くん……あの、手、大丈夫? 誰かに見られたら……」

「ゼンゼン。隠してないし。変装だって、ファンの子に見つかったら面倒ってだけ」

「大変だねぇ……」



ラーメン屋は、本当に昔ながらな感じで、カウンターしかないような小さな店。

女の子が来るような店……ではないよなあ。

「みわっち、狭いでしょ、大丈夫?」

「大丈夫だよ、はいお水。こういうお店来るの、初めてなんだ! なかなか1人で入る勇気がなくって…」

みわっちは、セルフサービスの水を汲みながら返事を返してくれる。

「確かに、みわっちが1人で入ってるイメージはないっスね。あ、他にもなんか頼む? 餃子とか?」

……自分で言っておきながら、キス出来なくなるっスけど。

「食べたーい!」

え、ええっ即答!?

「みわっち、デートに餃子とかチャレンジャーっスね?」

「えー黄瀬くんが提案したのに。大丈夫、2人で臭ければ気にならないんじゃない? あはは!」

全く気にしてない様子。
なんかオレ、気にしすぎ?

「……そうっスね……じゃあオレも食べよっと!」

女の子と食事なんて慣れてるはずなのに、まるで初めてのようだった。



「ご馳走になっちゃって、ごめんね……ありがとう。ご馳走さまでした!」

いいんスよ、女の子は奢られておけば。
そんな申し訳なさそうな顔しなくても。

「どうだったっスか?」

「すごく美味しかった! お腹いっぱい!」

「良かったっス!」

その笑顔が見たいだけだから。

「ねえねえ花火、買っておく?」

「ああ、そうっスね!」

「この辺り、ホームセンターとかないよね」

「そうっスね……コンビニとかスーパーとか? またデートで行くようなとこじゃないっスけど」

「じゃあスーパーかな。なんとなくだけど、種類多そうだし飲み物とか欲しいし」

「みわっちはオールオッケーなんスね、結構ほんとに……」

「ん? ごめんね、なんか言った?」

「……なんでもないっス!」
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