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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第65章 星空


「……黄瀬君は、みわちゃんのどこが好きなの?」

元はと言えば、彼女のそんな質問が始まりだった気がする。

みわについて熱弁を振るっているうちに、深夜になってしまった。

「いけね、もう戻んないとヤバイっスね」

ベッドサイドの時計を見て、ようやく今の時間を把握した。

「あ、そうね。遅くまでごめんなさい」

「じゃあ、病院予約取ったら日時教えて」

「うん。ありがとう」

キオサンはベッドから立ち上がった。
オレも、外に出るために軽く何かを羽織って……

「あ、待って、外まで送ってくっスよ! 誰が居るか……」

玄関から出て行こうとするキオサンを制止しようとしたら、一歩早く彼女がドアの向こうに出てしまった。

待っててくれるものかと思っていたから、声を掛けるのが一歩遅れてしまった。

「キオサ……」

急いでドアを開けると、キオサンが困った顔でこちらを見ていた。

「黄瀬君……」

「おい黄瀬、お前女連れ込んでんのかよ」

「バスケ部のマネージャーの子だろ? こんな時間までナニしてたんだよ」

ニヤニヤとそう笑いかけてくるのは、サッカー部のふたりだ。

「いや、相談乗ってたってだけでそういうんじゃないっス。
頼むから、黙ってて貰えないっスか」

「ふーん? あ、そういやお前彼女いたもんな」

「イケメンはモテていいよなぁ」

オレの言う事を信じている様子はない。

「だから、そういうんじゃないって!」

そうこうしている内に、違う人が通るかもしれない。

誤解はきちんと解きたいと思いつつも、キオサンを連れて焦ってその場を後にした。



「……ごめんなさい黄瀬君、ちゃんと外を確認してから出れば良かった……」

「も、勘弁して……」

思わず漏れた本音。

まあ別にやましい事など何もないから、多少ウワサになったところでどうという事もないけど。

それでも、みわに余計な誤解を生むような事は絶対にしたくない。

「今日はありがとう、もう大丈夫だから。おやすみなさい」

「いやいや、女子寮まだ遠いんだから送ってくっスよ。
この時期変質者も増えるし、怖いでしょ」

春になると、毎度現れる痴漢や変質者。
やはり今年も現れると学校からも注意が促されていた。

女の子に自分のモノを見せて何が快感なのかは全く理解出来ないが。


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