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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第14章 花火


「わ、今のスゲー! そこから入るんスか」

「黄瀬くん、あれコピーできる?」

「ん〜…あれならちょっと調整すれば……ああ、試してみたくなるっスわ」

スーパープレイに反応してしまうのは才能ある彼の宿命か。

「安静ですよ」

「ハイ……分かってるっス」

「あはは、私が聞いたのが悪かったね」

黄瀬くんは、誰とでも一線引いている。
勿論……私にも。

ベッドの中では、それよりは少し、ほんとの顔が見れている気がするけど……うまく表現できる言葉が見つからない。

「みわっちごめんね、なんか結局オフなのにバスケのことばっかり」

「ん、そう? 楽しいよ?」

「そう言ってくれるならいいんスけど……無理してない? 無理ならホントに言って?」

こういう時とか。
一線を引いているのに、反応を極端に気にするというか……。

うーん、やっぱりしっくりくる言葉が今は見つからないな。

「私は不器用なタイプだし、嘘が下手なんだよ」

「う、ん……そうっスよね」

「あ、今のダンク」

「すっげぇ」

「あっ、ここ筋肉硬くなってる」

「いってぇええ!」

その反応に、思わず目を合わせて笑った。
楽しいな。



「はー……なんか身体軽くなったっスわ……そろそろ昼ご飯でも食べないっスか?」

「あ、そうだねもうこんな時間」

ストレッチを終え、DVDもキリよく終わったところで。

「良ければ、オレの好きな店行かない? ラーメン屋なんスけど」

「行きたい!」

気を遣わせて、凄い豪華とかそんなことなくて、いつもの黄瀬くんで良かった。

「あ、ラーメン屋とか嫌っスよね。ついセンパイ達とのノリになっちゃった……イタリアンとかにしよっか?」

「なんでラーメン屋からイタリアン?」

「いや、オシャレなほうがいいかなって」

「ラーメン屋美味しいんだよね?」

「美味しいっスよ! オススメは塩!」

あ、また無邪気な表情。

「わ、塩ラーメン好き」

「でもオシャレじゃないっスよ」

「ラーメン屋だし……黄瀬くんはオシャレな方がいい?」

「いやほら、デートだし一応」

「え、一緒にいられるならどこでも大丈夫だよ。デートなんてした事ないけど……そういうものではないの?」

あれ、黄瀬くんの表情……私またおかしなこと言ってる?
空気読めてない?



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