第22章 水族館
菅原side
私服だからなのか、学校の外で見るからなのか しずくがいつもより大人っぽく見える。
彼女だからとかそういう贔屓目なしにして しずくは可愛いと思う。
だから、ちょっとだけ不安になるときもある。
平日とか普段一緒に遊びに行ったりできない分、今日は目一杯楽しむって決めたんだ。
「ほら、菅原見て!映画のやつ!カクレクマノミちっちゃーい。...なんか可愛いね。」
「本当だ。..あっ!隠れちゃった。」
「ふふふっ。菅原が魚いじめてるー。怖かったんだよねー?」
そう言って しずくが水槽の中の魚に話しかける。
大人っぽく見えて、意外と無邪気で可愛いところもある。
「いじめてないよなー。...あ、ほらまた出てきた。」
「水族館、すごく久しぶりだからなんか新鮮。」
「確かに、俺もいつぶりだろう。」
「......一緒に来たのが菅原でよかった。((小声」
「 しずく、なんか言った?」
「...別に。何も言ってない//」
「...そっか、俺も しずくとこれてよかったって思ってるよ//」
実は聞こえてたっていう。
しずくにそう思ってもらえて嬉しい。
正直、楽しんでもらえてるかちょっとだけ不安だったから。
「ばか、聞こえてるんじゃん//」
そう言って しずくは顔を背ける。
...照れ屋な彼女を持つと大変だべ。
まぁ、そこも可愛いんだけど。