第21章 ヤキモチ
教室に帰ってくる。
「日直おかえりー。 桜山さん、こいつに変なことされなかったー?」
クラスの女子2人から声をかけられた。
「....... ??」
「いきなり話しかけてごめんねっ。でも、うちら、 桜山さんと話してみたかったんだよね。」
「なかなか機会なくてさ。 桜山さん人とつるむのとか嫌いそうじゃん?」
「でも、今日の感じ見てたら、そうでもないのかな?見たいな? しずくちゃんって呼んでいい?」
「う、うん! 桜山さんより、そっちのほうがいい////」
「... しずくちゃん可愛いー!照れてる?」
「 前から聞きたかったんだけどさ、 しずくちゃん、化粧品何使ってるの?メイクすごい上手だよね!」
口元が緩む。
わたし、クラスの子と、普通に話してる。
「...た、ただいま。」
松田くんが社会科準備室から帰ってくる。
「うわ、松田ふらふらじゃねーか!」
「カッコつけて一気に二箱も運ぶからー」
「うるせー。」
「松田くん、大丈夫?」
「 桜山さん!// 桜山さんこそ、ノート大丈夫だった?」
「私は大丈夫、宮城くんが一緒に運んでくれたから」
「松田も宮城も必死かよwダメだよー。 しずくちゃん彼氏いるんだから。」
「「え?!」」
「あれ?あのバレー部の3年生の人じゃないの?泣きぼくろのあるさ。」
「前に しずくちゃんのこと探しに来てたじゃん。最近、よく一緒に昼食べてるよね?」
「う、うん。」
菅原のことだ。
彼氏。そう言われると少しニヤける。
「あ!今ニヤけた!」
そんな感じで今日1日は過ぎていった。
学校がこんなにも楽しいと感じるのは何年ぶりだろう。