第18章 叫び
菅原side
後ろから服を掴まれ、壁に叩きつけられる。
相手の顔を見ると忘れもしない りょー君だった。
「...人ん家の前で何してんの?ストーカーかよ。気持ち悪りぃ。」
「...あんた....。 しずくを返してください。この部屋にいるんですよね?」
「....なんだ、そんなとこまで知ってんの?...あぁ、もう、いい加減にしろよ。俺の邪魔ばっかしやがって....。本当、.....殺すぞ。」
そう言って思い切り殴られた頬が痛かった。
血生臭い味がした。
「________菅原!?______すが______」
ドアの向こうから微かに しずくの声が聞こえる。
負けるわけにはいかない。
「...大丈夫だから。」
小さな声で呟いた。
きっと、 しずくには聞こえていない。
「イラつくなぁ。俺と しずくの関係壊しといてヒーロー気取りかよ。」
通路の反対側の壁に追いやられる。
下の道路が見えた。ここは8階。
落ちたら奇跡でも起きない限り絶対に死ぬ。
「人の家に勝手に押し入ろうとした不良高校生。もみ合った末、不運な事故死。じゃ、正当防衛にはならないかな?」
男はニヤリと笑った。
グッ______
男の手が俺の首を締める。
「_____かはっ_____やめ___」
ゴスッ_____
「いっ___」
必死の抵抗で俺の膝が男の腹にヒットした。
「......は___はぁ____」
首から手が離れた。
目一杯空気を吸い込む。
「.....てめぇ....殺してやる。」
「やめないか!君達!!!」
「菅原先輩!/すがさん!/スガ!」
みんなの声が聞こえて、刑事さんが りょー君を取り押さえてるのがわかった。
「離せよ!!離せ!!!!」
りょー君はそのまま数人の刑事さんにパトカーまで連れて行かれた。