第18章 叫び
大人の心強さを感じると同時に高校生である自分たちの力のなさ、不甲斐なさを強く実感した。
何かあったら俺が助ける。
しずくに言ったこの一言がなんの効力もないただの口約束、気休めでしかなかったことに無性に腹が立った。
「......えっと、、その人は何号室の方なんでしょうか?」
「807号室に住んでいる男性で確か警備員として働いているとか....」
「警備員ですか..。さっき行ってみたら、留守のようでしたのでまだ仕事場でしょうかね。」
「多分。...帰ってくるのも朝だったり、夜だったりで。」
「他に、何か変わったところはありませんでした?」
「...うーん。今日の朝は上機嫌で出て行ったんで、どうしたんだい?って聞くとこれからは毎日彼女に会えるからってニコニコ話しててね、微笑ましかったんだけど、この子らの話を聞いくと少し怖くなってね。」
2人の大人の間でどんどん話が進んでいく。
嫌だ。
俺には何にも出来ないのか?
「っ....!!」
「あっ!ちょっと。菅さん!!」
「ま、待ちなさい!君!!」
俺は管理人室を飛び出した。
りょー君って奴が住んでるのが8階。
刑事さんが807に行った時は中からは反応がなかった。
でも、 りょー君は管理人にこれからは毎日会えると話してた。
りょー君は しずくを自分の部屋ではなく、自分の部屋の近くで監禁しているってことかもしれない。
8階から一部屋ずつ探していくしかない。