第18章 叫び
さっきの人は俺たちが真剣に訴えると、マンションの管理人の所まで連れて行ってくれた。
突然のことであまり関わりたくないのかそそくさとどこかへ行ってしまったが。
「私に話があると言っていたのは君たちかい?」
人の良さそうな中年の男性だった。
俺たちは理由を管理人さんに話す。
「そりゃ大変だ!!待ってなさい、すぐ警察に連絡するから。」
すると管理人さんは警察に連絡してくれた。
俺たちが連絡するより大人が連絡してくれた方が警察も真剣に取り合ってくれるかもしれない。
数十分後、管理人室に2人の警察官が入ってきた。
パトカーのサイレンがなっていなかったことを考えると、管理人さんがそうさせたんだろう。
やっぱり、大人だなぁと実感させられる。
「で、君たちかい?その、少女監禁の事件の重要参考人は。」
警察官はかすかに眉をひそめた。
「はい。信じてもらえないかもしれないですけど.....。」
おれは、警察に全部話した。
しずくと りょー君の関係、 しずくの痣の話、 しずくと俺の間にあったこと。 しずくが連れさられたこと。
日向やみんなも俺の話を聞いて驚いていた。
そういえば、みんな、一緒に探してくれていたけど、深い所まで話していなかった。
「話はわかったけど...つまり、君たちは連れ去られた現場を目撃したわけでも、監禁されてる証拠もないんだろ。」
「でも!!もし、 しずくに何かあったら!!」
「私たちも動いてあげたいのは山々なんだけど、決定的証拠がないんじゃ、、」
「...そんなこと言ってる間にも しずくは傷ついているんです!!」
叫んでいた。大きな声で。
みんな驚いていた。
「......わかった。できる限りのことはしよう。」