第17章 声
「......この部屋で最後ですね。」
扉を開けて部屋に入る。
しずくの部屋のようだ。
女の子らしい普通の部屋だ。
壁には りょー君との写真が飾られている。写真の中の しずくはいろいろな表情をしていた。満面の笑み、照れたようなはにかんだ表情、驚いきの表情、中には泣いているものもあった。
「... 桜山って、こんな顔もするんすね。」
「隣のやつが、例の彼氏ですよね。」
「........名前はわからないけど、 しずくは りょー君って呼んでた。」
「.... りょー君、、んー、、」
「....ごめん、 しずく。」
そう言って部屋の引き出しを物色する。
これといって りょー君の手掛かりになりそうなものは出てこない。
何か、何かないか。
「.......ハガキ?...............!!」
送り主・内容を見るとおそらく りょー君と思われる男からのハガキ。
宛先を見ると近くのマンションだった。
「あった!」
.....ここに行けば しずくが....。