第2章 恋人
最近、よく会うな...。
バレー部の3年生。
たしか.....すがわら?
「私に何か用?」
格好からすると部活帰りか。
「見かけたから?最近、よく会うなー。家こっちの方なのか?」
ほんと、この人何考えてるの?
あれだけ拒絶されてまだ懲りないの。
「それ、あんたに関係ないよね。わたし、こっちだから。」
「あ、待てよ。結構暗いし1人じゃ危ないって!俺もそっちだから、送ってくよ。」
...............。
「じゃぁ、私はそっち行くからついてこないで。」
「なら、俺もそっち。」
.......は?
この人はどうあっても私を送る気らしい。
「....................。」
「....................。」
「....................。」
「....................。」
「.........勝手にすれば。」
優しくて邪険にできないタイプ。
だから関わりたくなかったのに。
「やった。」
私は自分の家路を歩き始めた。
その後ろに菅原がついてくる。
一定の距離感を保って。
「.........ねぇ、後ろ歩かないでくれない?後つけられてるみたいですごく不快。」
「え?あ、ごめん。」
何を勘違いしたのか菅原は私の隣に並んだ。
「.....なんで隣歩いてんの?」
「だって、後ろ歩かれるの嫌なんでしょ?」
「だからって隣歩けなんて言ってないじゃん。」
「まーまー。気にすんなって。そーいえば、午後の授業サボってどこ行ってたんだ?」
菅原はまだ私の隣を歩いている。
彼はさっき、私が車から降りたところを見ていなかったのだろうか。
「...たしかに、私を送る事に関しては勝手にすればって言ったけど、仲良くおしゃべりしながら帰るなんて一言も言ってないよね?」
「せっかくだしさ。ちょっとくらい、ね?」
そう言って、彼はにししと笑った。