第15章 違和感
「田中ー。 」
結局、待ちきれなくなって教室まで来てしまった。
「あれ?すがさん?どーしたんすか?」
田中がバレー部の部員と飯を食っているところだった。
「 しずくってさ...。先生に呼ばれてるとか?」
「 桜山すか?今日、学校来てないっすけど..。珍しく、学校休むって連絡あったらしいっすよ。」
「へ......?」
約束、してたのに....?
連絡忘れてんのかな?
「もしかして、なんか約束とかしてたんですか?」
「あぁ、ちょっとな。連絡してみるよ!」
そう言って教室を出る。
...もしかして、具合が悪くなったとか?
携帯を取り出し しずくの番号へ電話をかける。
『_________おかけになった電話番号は現在使われておりません。番号をお確かめの上も__ブツッ__』
電話を切る。
その後何度かけても同じだった。
「....... しずく????...」
頭に嫌な予感がよぎる。
...おかしい。
かけてもかけても繋がらない電話。
あんなに嬉しそうにしていたのに学校を休んだこと。
連絡がこないこと。
珍しく学校を休むという連絡があったこと。
連絡。
「田中!!」
2年生の教室に急いで戻る。
「な、なんすか?!」
俺の様子に田中だけでなく、西谷や縁下、他のクラスの連中も注目する。
「どーしたんすか、菅さん?」
「 しずくって!休むって連絡本人からあったのか!?」
「お、俺に聞かれてもそこまでは、、?担任に聞いたらわかるんじゃないすかね?」
「どーしたんすか? 桜山、どうかしたんすか?」
俺のただならぬ様子を感じたのか西谷も真剣な顔になる。
「まだ、わからない。わからないけど、、」
キーンコーン
昼休み終了をつげるチャイムが鳴った。
「ん?菅原ー。何やってるんだ。もう授業始まるだろ。3年の教室にもどれー。」
先生の声が聞こえた。
何も考えられないまま2年の教室を出て自分の教室へ戻った。
第16章へつづく