第13章 スキ
「な.........んで.....?」
ドアを開けると、 しずくがいた。
窓枠に腰をかけている。
しずくの髪が風で揺れる。
しずくが俺を見つめる。
「ここ、バレー部の、部室、だけ、ど?」
動揺してしまって上手く話せない。
「知ってる。」
俺は動けないでいた。
しずくも動く様子はない。
「お、俺、日向に呼ばれてて、教室、見てくる。」
気まずくなり部室を出ようとする。
「待って。」
しずくに呼び止めららる。
「なんで、私を避けるの?」
「別に、避けてなんか....」
「嘘。ちゃんと、理由を話してくれるまで、帰さない。菅原が出て行こうとしたら、私。ここから落ちるから。」
「....脅し?」
「そうね。お願いだから、私を落とさないでね。」
冗談じゃない。
しずくは真剣だ。
ここは二階。
そんなに高さはない。
だが、今の しずくの体制で落ちれば後頭部の強打、骨折、打撲、いろいろなことが予測できた。
死ぬことはない、しかし無傷でもすまない。
俺は ドアを閉め しずくに向き直った。