第11章 想い
菅原side
それから、授業が終わるまで俺たちはいろいろなことを話した。
しずくの好きなアーティストの話、俺の部活の話、何気ない話だがすごく嬉しかった。
「菅原。...そういえば、授業、ごめん。結局、1時間丸っとサボっちゃったし。」
しずくが申し訳なさそうに呟いた。
「いいって。提案したの俺だし。それに、 しずくと話できて楽しかったから。」
楽しかった。
それは、本心からの言葉だ。
だが、どこか物足りなさを感じる。
しずくの想いを知ってしまった。
自惚れではなく、しずくも俺のことが好きだから。
「 しずく。これから、なんかあったら俺に話せ。絶対、助けるから。」
「なんか、ってなに?」
「え、うーん。わ、わかんないけど。とにかく!俺はお前を助けるって約束する。」
「わかった、期待してる。」
しずくが微笑んだ。
____ドクン
俺は しずくにキスをした。
「.........嫌がんないのか?」
顔を真っ赤にした しずくが言う。
「ほ、本当は嫌がらなきゃいけないのに、でも、なんか、嫌じゃ、ない。.....ごめん。」
なんで謝るんだ。
今謝らなきゃいけないのは俺の方なのに。
俺たちは一体どこまで許されるんだろう。
キスは嫌じゃない......
じゃぁ、その先は...........?
だめだ、俺たちは付き合ってるわけでもないし、 ましてや、しずくは りょー君と付き合ってるんだ、こんなことを考えてはいけない。
第12章につづく