第11章 想い
しずくside
菅原の言葉につられて私も笑う。
私は、本当にズルくて汚い女だ。
りょー君も菅原のどちらも選べなくて、こんなの2人に失礼だ。
2人とも私には勿体無いくらい、優しくていい人だ。
言わなきゃ。
菅原に。
でも、言いたくない。
言ったら、菅原が離れていってしまう気がして。
「....ごめんな。」
「なんで?なんで、菅原が謝るの?」
謝らなきゃいけないのは私の方なのに。
「その.....こんな密室?...でいきなり脱げとか、お前が話すまで一緒にいる。とか....先輩に....しかも男の....いい気しないよな?....ほんと、悪い。これから気をつけるから!」
そう恥ずかしそうに苦笑した。
菅原の“これから"という言葉がすごく嬉しかった。
「.......ジュース。」
「へ?」
「購買に売ってるバナナジュース買ってくれたら許してあげる。」
菅原の優しさに甘えてしまう自分がいる。
もう少し、もう少しだけこのままで。