第11章 想い
菅原side
だから...。
....だから?
だからどうしようというのだろう。
しずくからその話を聞いたところで、俺にはどうすることもできない。
しずくに りょー君と別れて俺と付き合おう。と言えたらどれだけいいだろう。
そうすれば、 しずくはきっとそれはできないと拒むはずだ、そうすれば、いっそ諦められる。
でも、 しずくも困ってしまうし、言いたくなかった。
拒絶されるのが怖くて、何も言えない。
「......これからも....これからも俺のこと避けるの?」
俺が言うと しずくは小さく首を振った。
「......できないよ。そんなこと。....今日だって、田中に菅原が私のことを探してたこと聞いて、本当はすごく嬉しかった。.....話したかった。でも....。」
しずくの頬を涙が伝った。
「 りょー君の居ない時位なら....大丈夫だべ。」
そう言って俺はニカリと笑った。
つられて しずくも小さく微笑んだ。