第1章 出会い
次の日、天気がよかったから俺は大地と旭と、屋上で昼飯を食うことにした。
いつもはワイワイと賑わっている屋上だが、今日はそんなに人もいない。
代わりに、中庭に人が集まっていた。
「んー。あったけーな。」
俺は伸びをして寝転がる。
「.....ん?あれ、昨日の。」
屋上の隅っこ。
フェンスのギリギリのところで空を見ながら座り込んでいる彼女を見つけた。
旭が口を開いた。
「 桜山さん....だったっけ?」
「 桜山さーん!俺たちも今からお昼なんだけど、よかったら一緒に食べる?」
.....考える前に口が動いていた。
『クラスでも浮いてるっーか。』
田中の言葉が頭に浮かぶ。
別に、だからどうとか。白い目で見られてる彼女に同情したとか、そんなんじゃない。
ただ、なぜか、声をかけずにはいられなかった。
俺は立ち上がって 桜山の方へ歩き出した。
「あ、おい、菅原。」
大地の焦ったような声が聞こえる。
「.... 桜山さんだよね?今からお昼?」
桜山は俺の方を一瞥するとまた空に視線を戻した。
「...空、見るの好きなの?」
返事はない。
「痣、どう?あと残んないといいけど。」
「....お友達のとこ戻れば?関わってほしくないの。まだわかんない?」
敵意むき出しだな。
まぁ、会ってまだ1週間もたってないし。
「んー。でも、俺はお前と話してみたいな。」
「...は?そーいうの、ほんと迷惑。こっちの意見無視してあんたの意見押し付けてさ。何様のつもり?」
鋭い目で睨まれる。
俺がまた口を開こうとした時。突然聞こえた電子音。
桜山がスマホを取り出す。
電話?
「もしもし、 りょー君?....うん、今学校だけど。」
俺は大地と旭のところに戻る。
「菅?どーしたんだいきなり。」
「いや、なんか。んー。なんでもね!」
彼女を見ていたら声をかけたくなった。
.....これじゃまるで///