第1章 出会い
菅原side
「あいつ、また!菅さん、あいつクラスでもいつもあんな感じなんで気にしないでくださいね!」
田中が呆れたように口を開いた。
「....なにあれ、感じ悪。」
月島が気だるそうに言った。
てか、月島がそれを言うか。
「あいつ、 桜山 しずくって言うんすけど、いつも何考えてるかわかんなくて、クラスでも浮いてるっーか。それが、クールでいい!なんて言うやつもいるんすけど、俺はどっちかっていうと苦手っつーか。」
しずくっていうのか......。
「なんか、あんまいい噂聞かないんですよ。」
噂?
今の田中の言葉に西谷も反応する。
「それ、俺も聞いたことあるぜ。本当かどーか知らねーけど。なんか、ヤバい奴らとつるんでるとか、恋人がホストだとか。」
「え、タトゥーの彫り師じゃねーのか?」
「俺、バンドマンって聞いたけど。」
2年の間で彼女はそうとう噂になっているらしい。
「てか、それ、全部デマなんじゃないすか?」
影山が口を開く。
「俺も、あの子がそんな子には見えなかった。」
俺も影山の意見に同意した。
なんていうか、うまく言えないけど。
悪い子じゃない、と思う。
また、会えるかな?