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ヒトリヨガリ【ハイキュー】

第9章 視聴覚室


「あんたが出て行ってくれないなら、私が消える。.....そこ、退いてくれる?」

しずくがこっちに歩いてくる。

「.....嫌だ。 しずくが話をしてくれるまで、俺はここを退く気はないよ。」

ドアをしめて しずくを見つめる。
しずくも動かないまま俺を見つめる。

「.....馬鹿じゃないの?1人でここにいれば。別に、出口はそこだじゃないし。」

そう言って垂れてきた髪を耳にかける。
しずくは反対を向いて窓のほうへ歩き出そうとする。

「待って!」

しずくの前に回り込む。
見えてしまった。髪をかけたとき、 しずくの腕にあった痣を。
初めて会った時から しずくは傷を負っていた。

「なぁ、コレ脱いで。」

しずくの腕に触らないようにカーディガンを掴む。

「....なんで?いきなり脱げとか、何言ってんの?」

「いいから!」

そう言って しずくのカーディガンの袖を捲り上げる。

「...やめて。大声を出して人を呼ぶわ。そしたら、都合が悪いのはあんたでしょ。」

しずくが俺を睨みつける。
だが、今はそんなこと気にならなかった。

「.......これ。 りょー君って人にやられたのか?」

しずくの手首から肘にかけてたくさんの痣があった。服でわからなかったがきっとその上も。

「こ、転んだだけだから、勝手に自己解釈しないでくれる?迷惑..だから。」

「なんで、隠そうとするんだよ。恋人だからかばってるのか?....こんなことする奴の何処が良いんだよ...。」

しずくの頬に両手で触れる。

「....俺なら!絶対......こんなことしない!.........好きなんだ。...だから、 しずくが傷だらけになってるのも辛いし。........ しずくと話せなくなるのは嫌だ…。」



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