第9章 視聴覚室
しずくの行きそうなところ.......。
そもそも、まだ学校に居るのか?
そんなことを考えながら廊下を歩いていた。
...........視聴覚室。
しずくの居そうなところが浮かんでからの俺の行動は早かった。
「菅原くん!!廊下は走らないように!!」
途中で校長の怒鳴り声が聞こえたけどそんなの気にしている暇はない。
目的地は一階の一番奥。
あそこは人が全く来なくて、昼寝に最適だと しずくが言っていたのを思い出した。
「 しずく!!!」
.......いた。
視聴覚室の扉を開けると窓際の席、机に突っ伏しながら寝ている しずくを。
「....ん。」
しずくが気怠そうに身体を起こす。
「..起こしちゃった??」
「.....な、んで。出て行ってよ。あんたとはもう、会わないって言ったのに。」
しずくが言うが、俺は構わず しずくに近づく。
「ちゃんと話がしたくて。あんな一方的に言われたんじゃ俺も納得できない。」
「......じゃあ、はっきり言ってあげる。私は.....あんたより りょー君を選んだの。 りょー君のために、もうあんたとは会わない。」
しずくは言った。
だが、すごく悲しそうな顔に見えた。
「それが、それが本当に しずくの決めたことなら、それでいいよ。でも、俺にはそうに見えない。なんていうか、自分の意志を、殺してるっていうか....上手く言えないけど.... しずくが本当にそれを望んでるとは思えないんだよ。」
「.....関係ないじゃん。もう、私に構わないで。すごく迷惑。」
そう言ってうつむく。