第8章 トラブル
菅原side
たしかに、 自分の恋人が自分以外の、男と2人で出かけてて腹が立つ気持ちもわかる。
悪いのは、俺と しずくだということも理解できる。
でも、さっきの言葉は許せない。
「 しずく。ごめん。」
しずくに小さく呟く。
「さっきから聞いてればあまりに一方的すぎですよ。そんな言い方。 しずくに友達がいないとか。必要とされてないとか。そんなのあんたが決めることじゃない。俺は…」
しずくを、必要としてる。
「菅原やめて。」
そう言おうとした時、 しずくに止められた。
「ごめんなさい。 りょー君は悪くないの。それに、もう、菅原とは合わないから。 りょー君。だから、捨てないで。私には、 りょー君しかいないの。あの時からずっと。ずっと。」
「 しずく?」
あの時。
俺は、それがいつを指しているのかわからない。
きっと、2人にしかわからないのだろう。
「 しずく。帰ろ?」
しずくの恋人が しずくに言う。
「............うん。......菅原、ごめん。今日はありがと。」
しずくは笑っていたけどあれはきっと、作り笑いだ。
「 しずく!」
しずくは振り返らずに行ってしまった。
第9章につづく。