第6章 帰り道
しずくside
来週の土曜日。
予定はとくにはいっていない。
「....部活は?」
「その日は午前中だけなんだー。」
「へー。で、それと、わたしの予定となにか関係でもあるの?」
わざと素っ気ない態度をとる。
「いや、暇だったら一緒に遊び行くべ。」
「...........行きたい。」
考えるより先に口に出していた。
「でも......。」
りょー君の顔が頭をよぎる。
本当に行ってしまっていいのだろうか。
「約束だべ!指切り。」
菅原はそういって笑顔で小指を差し出してきた。
私は、これを断らなければいけなかったのだろうか?
どんどん、自分が取り返しの付かないことをしている気分だった。
でも、繋いだ小指は暖かかった。
第7章へつづく