第5章 溶解
「おっしゃぁぁあ、ギリギリセーフ!」
その時、部活開始5分前、体育館に西谷が滑り込んできた。
「に、西谷?!お前、どーしたんだよ。いきなり」
「それが、部活行こうとしたら、先生に呼び止められてそれが長引いてヤバかったんで.....って 桜山?帰ったんじゃなかったのか。」
「ええ、今日は用事もなかったから。」
「へー。って、 桜山が普通にしゃべった?!」
「なに、話しちゃ悪いわけ?」
「いや、ビビっただけだって。で、なんで、体育館にいんだ?」
そう言って西谷が首をかしげる。
「別に。もう、用は済んだから。帰る。」
「あ、待てって。部活、上から見てきなよ。用事、ないんだろ?」
「.........わかった。仕方ないから見てってあげる。....別に見たくてきたわけじゃないから..。自惚れないでよね。」
そう言って階段を上っていく。
仕方ないからと言う割には、最初から体育館シューズを、履いて初めから見ていく気だったんじゃないか。
「 桜山ってなんか、雰囲気変わったっすね。」
西谷か言う。
やっぱり、周りは 桜山のことをら誤解しているだけなんだ。