第3章 痛み
.......ピアス?
って、学校にピアス付けて来てんのか。
先生に、注意とかされねーのかな。
「あ、待って、 桜山。」
そう言って 桜山の腕を掴む。
「_______っつ。」
桜山が眉を歪めて苦しげな声をあげた。
「 桜山さん!?」
「え..ご、ごめんっ!その、もしかして、腕怪我とかしてた?」
桜山にすごい形相で睨まれる。
「あんたに関係ないでしょ。」
「でも、腕痛むんだろ?」
桜山は俯いて拳を握りしめている。
「.........あんた、うざいよ?」
桜山の言葉に胸が締め付けられる。
「おい、いくらなんでもそれは言い過ぎだろ。...ですよ。」
「いいんだ、影山。今のは、俺が悪い。」
最悪な空気。
そんな中で 桜山のスマホが鳴る。
「....もしもし。.......うん。わかった。.....うん、じゃぁ、また明日連絡する。」
そう言って電話を切る。
「 桜山?」
「もう、いいから。それと、言い過ぎだ。ごめん。」
桜山が小さく呟く。
それだけ言うと 桜山は歩き出した。
口元の痣と腕の怪我...............。
少し気になったけど転んだとか体育でやらかしたとか、そんなところだろう。
深く突っ込みすぎるのも迷惑だとも思うし。
あ、結局ピアス渡してない。