第3章 痛み
菅原side
「菅原、はよー。」
桜山と別れると、大地と旭に声をかけられた。
「はよー。」
「すが、いつの間に 桜山と仲良くなったんだ?」
「へ?仲良く?なってないよ。全然、心開いてくんないっていうか....。まぁ、それでも前より会話してくれるようにはなったけどさ。」
そして、授業後。
放課後部活がないなんていつぶりだろう。
たしか、定期テストが先月だったから、そん時か。
「あ、菅原先輩!」
校門へ向かって歩いていると突然名前を呼ばれる。
「お、日向、影山。どーしたんだ?」
「はい。体育館使えないのは知ってるんすけど、どっか練習できる場所ねーかなって思って。」
「菅原先輩はいま帰りですか?」
「ん。まぁそんなとこだべ。」
そう言って前を向いたらまた、 桜山を見かけた。
門の前に立ち止まって誰かを待ってるようだ。
「 桜山ー!いま帰り?」
大声で呼びかけるとビクリと反応してこっちを振り返る。
「 桜山?って、この前の視聴覚室の??」
日向と影山が小首を傾げる。
「.......気軽に話しかけないでくれる?」
「俺、日向翔陽!よろしくな。....って、先輩だった!!よろしくお願いします!」
日向が 桜山に頭を下げる。
で?だからなに?
....きっとこんなこと思ってるんだろうな。
最近、少し考えてることがわかってきたかもしれない。
「.........で?だからなに?」
ほら、やっぱり!
「....私、貴方達と仲良くお話してる暇なんてないの。」
そう言って歩いていこうとする。
その時、彼女の耳から何か光るものが落ちた。