第3章 痛み
しずくside
「なんで私に構うの?」
この人と会ってからずっと聞きたかった。
どーして私なの?
別に、私じゃなくてもいいでしょ?
「.........なんでだろーな?わかんないけど。なんか、ほっとけなくて。」
いつものように、迷惑だとか構わないでだとか言いたいことはたくさんあったはずなのに。
菅原の今の言葉に少しでも絆されてしまった自分が、嫌になる。
痛い。
胸がジリジリ痛む。
「......だから、そういうのが迷惑なの。」
「..でも、前よりちゃんと話してくれるようになったべ!」
彼が笑う。
無邪気に。
「....ばっかじゃないの?」
小声でつぶやく。
「ん?なんか言った??」
「...別に。」
無意識のうちに笑みがこぼれる。
きっと私はこの人とこんな会話をするのが嫌じゃなくなってきている。
「あ、 今笑ったべ?」
「..は?口元見えないのに何言ってんの?」
そう言って私は2年の下駄箱へ向かった。