第3章 痛み
菅原side
今日は朝から体育館整備があるので部活もない。
日向や影山はすごく不満そうだったけど。
今日はいつもより時間も遅くのんびりと登校している。
天気もいいし、今日はなんだかいいことでもありそうだ。
「菅原おはよー!今日部活じゃねーんだ。」
「体育館整備ーー!」
クラスの友達に声をかけられ、後ろを振り返る。
校門へ向かう生徒の中、見つけた。
痣を隠しているであろう口元を覆うマスク。
退屈そうな目でスマホを片手に歩いている 桜山を。
「.........声、かけたらまた嫌な顔されるかな?」
考えていても仕方がない。
「 桜山さん、おはよ!」
桜山は俺の声が聞こえていないかのようにスマホをいじっている。
「 桜山?聞こえてないのかー。」
桜山の隣に並んで俺も歩き出す。
「.............。」
「......... 桜山いつもこの時間なのか?」
「.............。」
「俺、今日、体育館整備で部活なくてさ。いつもはもっと早いんだけど。」
「...............。」
「..............。」
「......あのさ、一つ聞いていい?」
!!
初めて 桜山から話しかけてくれた!
考えてらみたら、ちゃんとした会話してないもんなー。
「な、なに?」
嬉しいのと焦りからついどもってしまう。
「なんで私に構うの?」