第25章 臨時マネージャー0日目
しずくside
「しずくちゃん、もう帰る?」
「うんん。今日は人に呼ばれちゃって」
「そっか、ざんねーん。じゃあ、また明日!」
「うん。それじゃ。」
そう言ってゆうちゃんに手を振り教室を出る。
今日はお昼休みになぜか菅原に呼び出されてしまった。
授業後に体育館に来て欲しい。らしい。
どうして?なにか用があればその時に言えばいいのに。
練習を見に来て欲しいと言うことだろうか?
そんなことを考えながら体育館を目指していた。
「あ!桜山さん!体育館だよね?」
縁下に声をかけられる。
「え、うん。そうだけど?」
「ありがとう!本当助かるよ。急なことだったのにごめんね。」
たすかる?ありがとう???
縁下はなにを言っているんだろう?
「は?ちょっと待って。」
「...じゃあ、またあとで!ロッカーこっちだから!」
.......................とりあえず、菅原を探そう。
何かどうなっているのか全くわからないけど、菅原を探せば解決する気がする。
こういうときに限ってなかなか見つからない。
結局、意味がわからないまま体育館にたどり着いた。
いつぞやのオレンジ色の、髪の子に声をかける。
「....あの、菅原って...」
「あ、こんにちは。桜山先輩!」
先輩という言葉にすこしむずむずする。
「......あ、しずく...。」
日向くんの声に菅原を始めバレー部の部員がわたしの方を向き、集まってきた。
.........やっと見つけた。
人を呼んでおいてその反応はどういうことだろう。
わたしは、さっきから意味の分からなくことを言われて困っていたというのに。
「...桜山さん、わざわざごめんね。最初は清水と谷地さんに教わりながらでいいからさ、本当に助かったよ。」
澤村先輩に声をかけられる。
澤村先輩に軽く会釈をし、菅原に向き直る。
「....菅原?どういうことか説明して欲しいんだけど。みんなは一体なんの話をしてるの?」
「......えっと....これは、....」
菅原は私から目を逸らし苦笑いを浮かべる。