第23章 体育祭
「 しずくおつかれ!持久走2位ってすげーじゃん!」
「...はぁ..は、別に..すごくない。はぁ..来年は絶対でない.....は、はぁ。」
1位ではなく2位ということに納得がいかないみたいだ。
1位と3位の奴が陸上部でそこに帰宅部の しずくが入り込むって十分すごいと思うんだけどな。
しずくは意外と負けず嫌いなところがある。
.....................それより。
しずくの姿、表情に目が釘付けになる。
乱れた呼吸、紅潮した頬、汗の滲む額、前髪をかきあげる動作、ペットボトルに口付ける唇、上下する喉。
どれもすごく色っぽくて目が離せなかった。
「...なに?...あんま、見ないでよ、恥ずかしいんだけど。」
「え、あ、わわわ悪い!!」
俺の顔も赤くなっていくのがわかった。
俺のバカ!いったい俺は何を想像してたんだー//
大地や旭も少し飽きれたような様子で俺を見る。
お前らだって好きな奴のこんな状態見たらこうもなるだろっ。
「...じゃ、 桜山さん。俺らはこの辺で。スガのことよろしくな」
そう言って2人は行ってしまう。
「.....いったいナニ想像してたわけ。」
「...なにって....別に.....なにも....」
思わず目をそらす。
「うそつき。....菅原のえっち。」
「...いやいや!えっちって...そんな...」
うぅ、ますます しずくの顔が見られない。
「....私も、そういうこと考えたことあるから。別に隠さなくてもいい。....でも、今日は疲れちゃうから、また今度ね。」
そう言って しずくは俺の背中にもたれかかる。
ていうか、 しずくも考えたことあるって!?
.....嬉しいけど、ちょっと照れる。
「....よし、じゃあ、青組の応援に行くべ!」
「え、ちょっと。私は休憩したいんだけどっ。」
しぶる しずくを引っ張っていく。
「だってほら、次は田中が出るだろ。応援してやんないとな!」