第23章 体育祭
菅原side
正直、 しずくが自分から持久走なんか選ぶと思っていなかったから意外だった。
「... しずくー!頑張れー!」
走っている しずくを応援する。
しずく、本当に運動神経いいんだな。
持久走走ってんのなんか、運動部の奴らばっかなのに。
部活入ってないの、勿体無いくらいだ。
「...あー!もしかして! しずくの彼氏!」
「へ?」
後ろから2年の女子2人に声をかけられる。
「ちょっと、いきなり失礼だよ。」
「 しずくの応援ですか?」
「あぁ、そうだよ。」
「... しずくいいなー。彼氏に応援してもらえるとか最高じゃん。」
「学祭前に別れるあんたが悪い。...あ、先輩すみません。」
「珍しく、 しずくやる気になってたの多分先輩のおかげだと思うんですよ!私、去年も同じクラスだったんですけど、去年は学校行事はサボるか参加してても見てるだけで、すごく退屈そうでしたもん。」
「...そうなんだ。」
「 しずく、すごく楽しそうですもん!...よし!じゃあお邪魔しました、先輩!」
「あ、ちょっと待ってよ、ユウちゃん!」
そう言って2人は言ってしまった。
「はは、確かに 桜山さんって学校行事とか張り切るキャラじゃなさそうだもんな。」
大地が言う。
俺がいるから しずくが楽しそう。...そう考えるとなんだかちょっとくすぐたかった。
「...お! 桜山さんもう少しでゴールじゃん!」
「 しずくー!いけー!!」
持久走が終わった。
持久走に出た学生たちなみんな息を切らしていた。