第2章 純粋だから狙われるのです(ヴァンパイア組)
そんなこんなで、デミトリとの追いかけっこがスタートしてしまったのさ。
「あ、レイレイ!ヘルプーー!!」
ちょうどレイレイがいたので、助けを呼んだ。
レイレイはまたかーみたいな顔をして、何かをデミトリに向かってぶん投げた。
って、暗器砲じゃねーか。
デミトリは律儀にキャッチし、そのまま爆発して気を失った。
「コイツも懲りないアルねー」
「だなー。謎だ」
「ザベルもしつこいから、気持ち分かるアルよ」
「あっちもあっちで面倒いな」
黒焦げなデミトリを二人で眺めていると、何処からか何ともいえないギター的な音が聞こえた。
「レイレイちゅわ〜ん!!迎えに来たゼェ!!」
「誰も呼んでないアルよ!!」
噂をすれば颯爽と登場したザベル。
一体いつも何処からわいてくるんだ……
盗聴されてる気配はねーのにな……
そんなこんな考えていると、いつの間にかザベルの視線があたしに移っていた。
「れ、レイレイちゅわん!オレ様に隠れてデートしてたのかァ!?」
ふぁ?
「ばっ、何言ってるアルか!確かに名前はカッコイイ系女子アルけど、アタシは付き合ってないアルよ!」
「レイレイさん、色々反論する所間違ってねーかな?」
斜め後ろ辺りからの地味に逸れた回答をまるで聞いてもいないドリーミーな脳内のザベルは、ワナワナと震えていた。
やば、これあたしが狙われるやつや。
「よくもオレ様のレイレイちゅわんを……覚悟しやがレ神よォ!!」
「だから人の話聞けよ!!」
ザベルのデスフレーズを避けようと思ったが
その前にあたしはいつの間にか空中にいた。